草原 蘭(くさはら らん)はニコニコする母と、対面していた。
「で?」
「ん?」
蘭は怪盗業の作戦を聞かされたばかりだった―――――――――・・・。
蘭の家系はずっと怪盗でつながっている。だから今年の春、13歳になった蘭は立派な怪盗として育てられることになった。一応、本人は嫌なのだが・・・。その嫌な理由の一つとして、友達が探偵。案木 笛(あんき ふえ)だ。大親友の末、蘭は怪盗、笛は探偵の道を進むとなるとこれは一大事だった。まぁ、一大事と言ってもそれは蘭だけの問題なのだが・・・。だから、母は強引に蘭を怪盗と認定してしまった。
そして今、ろくでもない作戦を聞かされたのだ。
『え?作戦?』
『そ!聞いてくれる?』
『いや・・・聞かなきゃなんないし・・・。』
『そのとーり!じゃっ。言うわよ。「催眠術でサファイアのバラを盗め!」。これでどう?』
『催眠術?』
『うん!』
『で?』
『ん?』