「ニャッホ〜!」
静かなICUに
アホっぽい声が響き渡る。
「みっ美香!!!!」
目の覚める様な蛍光ピンクは、今の私には眩し過ぎるよ…。
それに給食当番の格好似合わな過ぎ…。
故意に連絡を絶っていたが、私の居所は母親の大きなお世話によって、バレてしまった。
こんな姿…
見られたくなかったのに…。
「何だよぉ〜千夏!ウチら友達だろぉ?何で言ってくれなかったの?」
たぶん私の気持ちは
君には分からないよ…。
「何かさぁ…心配されたくなくてさ。」
「てか逆に、千夏と急に連絡取れなくなってマジ心配したんですけど…!」
派手なメイクに
派手な服装。
マジで羨ましい!!
つい最近まで
私もこうだったのに…。
何だか苛立った。
何にか分からないけどムカツイタ。
「千夏、今度はさぁ〜…」
友達の声が右から左へ
流れて消えた。
何も聞きたくない。
何も話したくない。
一人になりたい。
一人になりたい!!!
「ぇって…。帰って!!!!」
私の声に友達は付けまつげをパチクリさせて、口を閉じた。
「ごめんね〜」
母親が友達に謝って、ICUの入口まで見送る。
嫌だ
嫌だ
嫌だ
何で私だけ
こうなるの?
苦しい思いも
痛い思いも
みんな私だけ…。
どうして?
何で?
劣等感が私を支配し始めていた。