†秘密
入学式から一週間。
真璃や奈穂、それから紀梨の他にも友達ができた。皆面白くて、いい友達ばっかりだ。そんなある日のことだった。
「紀梨、部活なんにはいる〜?」
「うーん、決めてない!光月姫は?」
あたしは少し考えていた。
「吹奏楽部かな。」
「吹奏楽?そっかぁ、その手があったなぁ!」
紀梨は一人で頷いて、よし決めた!と言った。
「あたしも吹奏楽に入る!」
「え、いいの?紀梨はバスケが好きだったじゃん!」
小1から紀梨はバスケの大会で、何度も賞をもらっていた。
だからそれを聞いて、なぜかあたしががっかりした。
「ん〜。春休みに肩がバスケでイカレちゃって。ダメなんだ。」
「え?」
なんだか、聞いてはいけないことを聞いてしまったって感じだ。
「ま、いつか楽しくできるようになるよ。それよりさ、泉って変だよねぇ。」
恵太…。あのプロフィール事件から、すっかり変な関係だ。 奈穂と真璃からのプロフィールには、言われてから好きな人のことは書いてないし、何かとあれば言い争いになるけど、雑談相手にもなるしで、本当に変だ。
「わかるよ、紀梨。でもどこが?」
「この間、雨降ったじゃん?それでね、トイレの所を通ってたの。あたし。」
すると紀梨は、ふふっと笑った。
「そしたらね、泉が派手に滑ってコケたの!もうびっくりして〜!面白かった〜!」
こんなに爆笑されると、恵太が可哀相に思えてくるが、あたしも爆笑してしまった。
「ほっんと変な奴だよね、恵太って。」
「でしょ?あれでモテてるんだから、可笑しいったらありゃしないわ!」
そして紀梨はまた笑う。
「恵太ってモテてんの?!」
「知らない?結宮葉と泉恵太の凸凹コンビって、女子の中では好きな人ベスト5だよ。」
で、凸凹…?
「もち、性格が凸凹ってこと!」
「なんだか…。分かる気がするけど。」
でも、あいつがモテてるって信じられないんだけど?!