その頃の僕は 人として人間として、普通の生活をおくっていた… 例えば学校へ行くと 一緒にバカできる友達がいて、親みたいに心配して声をかけてくれる先生がいる。そんな学校生活が『普通』だと思っていた。人として人間として『普通の生活』だと…
ある休み時間 僕は友達と一緒にいつものように教室で騒いでいた。そしたら 誰かにぶつかって 『あっ ごめん ごめん』と謝った後 そいつの顔をみると クラス1 勉強ができるヤツだった… そいつは ぷいっと違う方向に顔をむけ 何事もなかったように難しそうな本を読んでいる。…放課後になり クラブ活動がはじまった。僕の高校ではクラブ活動は 強制ではなく、興味のないヤツは 遊びに行ったり 家に帰ったりと自由だ。けれど僕は 体を動かすのが好きで 身長も高い方だった事もあってバレー部に入部した… 練習中…体育館から外にでてしまったボールを 取りに行った時、僕は 見たんだ。足をひきづって歩く人の後ろ姿を…。その時は気にとめず 体育館へと戻った…。その時は…。