「お二人とも……っ喧嘩はやめてくださいぃぃぃっ!!」
ひびりまくるメシアをよそに、ジンは肉を漁る。
あの。私まだ2本目なんですけどw
―――と。
「んぐっ!?」
ジンの顔が赤くなって青くなった。どうやら鳥肉を詰まらせたらしい。
「水ううううぅぅぅうぅう!!?!」
柔らかな髪を逆立てんばかりにメシアが悲鳴をあげた頃には、既にディルがジンの背を叩いて落ち着かせ、妖需がコップを口元にやり、事態は収拾を得ていた。
「大丈夫で―――」
メシアが駆け寄ろうとした瞬間。
がちゃん!と派手な音を立て、4人分の飲み水の入った容器が転がった。
「……………」
「……………………」
「!!!!!!!!!」
「ごめんなさいいいぃぃいいいっっ!!?」
やれやれ。
ジンがメシアをなだめにかかっている間に、妖需は水を汲みに出た。
一人になると、思い知る。
私は………何から逃げているんだろう。
ただ、何となく、底の知れない場所にいる感覚。
夜の旅に漂う虚空の海から。
魔法みたい、なんて。
―――だめだよ。
楽しいなんて。
――――そう。
例え、どこに逃げようと。
呪いは
消えない