暖かい場所 …僕…

レオン  2008-03-09投稿
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真弥さん、泣かないで…。
僕がいつも側にいます。

小さな白い手を
そっと撫でる。

涙をいっぱい流した頬に
そっとキスをする。

「ありがとう。りょう君。」

真弥さんはきゃしゃな体で
僕をギュッと抱締めた。

僕はこの上ないくらい
幸せだった。

真弥さんの
匂いが好きで
真弥さんの
温もりが好きで

全てが好きだ…。

今だけは僕だけの真弥さんだから…。
今二人だけのこの時間が幸せ過ぎて怖いくらいだった…。
もう少し僕が大人だったら。真弥さんを守れるのに。

僕は窓の外に目を向けた。
もう外が明るい。朝だ…。

「仕事行かなきゃ。」

真弥さんは僕から離れて鞄を手にした。

「行かないで」

そう僕は言ったけど真弥さんはコートを羽織った。

「行かないで」

そう僕がまた言うと真弥さんは困った顔をした。

「いい子で待っててね。行ってきます。」

行ってしまった…。

僕は真弥さんの温もりがまだ残るソファーに体を埋めて泣いた。

僕が食べ残したドックフードが虚しく日を浴びて光った。

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