LASTSUMMER#60 『狙われたシュート』

SETTARMEN  2008-03-09投稿
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石堂が打席に入り3回裏が始まった。



主審『プレイ!』



前のイニングで効果的だったシュートを藤城バッテリーは初球から選択した。



主審『ストライ〜ク』



球筋を見極めるかのようにじっくりと石堂は見逃した。



不破(嫌な見逃し方されたな…)



キャッチャーの不破は不安に思ったのか次はストレートのサインを出す。


天堂寺が頷き2球目を投げた。



ビュン!!



カキーン!!!



『ファール!!』



ジャストミートだったが、打球はレフト後方のファールゾーンへと消える。



天堂寺(マジかよ!俺のストレートがあそこまで…)



しかしながら、2ナッシングと追い込んだバッテリーは、天堂寺が得意とするフォークを3球目にもってきた。



追い込まれた石堂も考えていた。



石堂(おそらくギリギリまで粘れば、最後は未完成のシュートで勝負してくるはずだ…
そこを狙い打ってこの投手を……崩す!!)



打撃のセンスもさることながら、この日の石堂の勝負勘は際立っていた…


3球目のフォークはワンバウンドし、カウント2-1。
4球目のカーブ、5球目のストレートはいずれも石堂がカットをしたのだった…



こうなれば、石堂の読み通りにバッテリーはシュートを使わざるをを得ない状況になってしまう…


不破(前の打席はホームラン打たれてるからな…ここはシュートに頼るしかない…)


不破がサインを出す。



天堂寺が頷いた。



大きく振りかぶった天堂寺。



石堂に対しての6球目。


!!!



天堂寺(しまった!!!)


天堂寺が放ったシュートは抜け球となって真ん中に甘く入ってしまった。


石堂(来た!!)



カキーン!!!



甘く入った球を石堂が見逃す訳がなかった…



打球は左中間を大きく超えていった。



打球を見て、マスクを外した不破が大声で叫んだ。


不破『バックホーム!!!』



内外野陣があたふたする中、石堂は既に2塁ベースをけっていた…



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