「……ごめん。怒鳴ったりして…。」
亜紀は探る様に彼女の顔をみた。
「………。」
「じゃあ、あたしが一緒に行ってあげよっか??」「えっ……??」
「じゃあ明日はどう?あたしがここに来るから待っててよ。」
「……わかった。」
《次の日》
「おはよ♪♪」
「うん。」
「じゃあ行くか…。」
彼女の顔はこわばっていた。
(何か話さないと…)
亜紀は信号のボタンを押して言った。
「そういえば名前はなんて言うの??」
「あやか」
「あたしは亜紀。なんか…変な気分だなぁ。」
「なんで?」
「だって、どろ…じゃなくって……まぁいろいろとね。」
学校につくとあやかの表情はさらに厳しくなった。
「大丈夫。あたしを信じて♪♪」
不安にさせないように満面の笑みで亜紀は言った。
(今どき生徒の顔なんて覚えてないっしょ。)
案の定どの先生も亜紀には気づかなかった。
「……あの【６ー２】のとこ。」
「ちわ〜〜っす。」思いっきりドアを開けると……。まさに一人の女の子がイジメに合っていた。……あのデカい女かな。
さっとあやかの方を見ると、あやかは静かにうなずいた。
「……あやか先に入って。」
少し躊躇したものの、震える手を握り締めあやかはそいつの方へ歩いて行った。
本上正美。そのデカ女。昨日亜紀はあやかからいろいろと聞いていた。
《親が金持ち。甘い育ちをしたせいで一人いつもお嬢様気取り。周りを見下している。先生に対しても態度がでかい。》
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