※前回本文が切れたので切れたところから本文を始めます。
酷だが人類最後の日を共に過ごす、そういう仲間でもあるのだ。
6人はお互いをファーストネームで呼び合うことにした。
モンゴロイド(男)日本人のユウ
モンゴロイド(女)中国人のフェイ
コーカソイド(男)イギリス人のノエル
コーカソイド(女)ドイツ人のローグ
ネグロイド(女)アメリカ人のティーズ
「最後はあんただ。名前は?」
このときも話を進めるのはノエルだ。率先して意見するタイプというより出たがりというか社交的というか…だが初対面同士でこのような状況だとこういうタイプの人間がいたほうが助かる。
「俺はアダムだ」
ノエルはフッと鼻で笑った。
「それはこのプロジェクトに参加した男全員を呼称する名前だろ?」
アダムは無表情で応える。
「このプロジェクトに参加する前から、生まれたときからアダムだ」
ノエルは納得したようだったがどこか投げやりで不満そうだった。
「人類始まりの地アフリカ生まれのアダムか。このプロジェクトにぴったりだね」
ユウはそう言うとニッコリと無邪気な笑顔を見せた。
暗く冷たい宇宙に浮かぶ灰色の金属の箱。それはまるで地球を監視するかのようにゆっくりと球の周りを回っている。
『ヒトの生命反応をキャッチ。反応位置105.6E、10.7Sクリスマス島付近、反応場所周辺の大気中及び地中の構成成分解析を開始…』
無機質な音声が箱の中で響く。その音に反応し3つの黒い影が一斉にモニターに注目した。
「成分解析終了後80分以内に地球への降下を開始する。」
リーダー各の男がそういうと他の2人は小さく頷いた。