幼き日々

ふく  2008-03-10投稿
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幼い頃
デパートで母親の姿を見失っては良く泣いた
母親は呆れた顔ではぐれないように優しく私の手を握ってくれた

あの頃を思い出す
もう大人なんだけどあなたといると子供になる
人混みの中
歩くのが早いあなたに追い付けなくて
あなたの背中を見失う時の心細さ
不意に心に芽生える淋しさで必死の思いであなたを探す
見慣れた背中を見付けた時何だかとても嬉しくてほっとして大好きで泣きたくなる
人混みに押されながらどさくさに紛れてあなたのシャツの裾を掴むのがやっとだった
ドキドキして少し頬が熱くなる
あなたが懸命に掴んだ私の手を見て照れたように笑う
しっかり付いてこいよって
離れるなよってその手を繋いでくれるからまた泣きそうになる
気付かれないように必死で笑顔を作った
あなたの手が私の手を包み込んで温かかった
もう離れたくない
失いたくない
こうやってあなたが優しくてあなたが大好きで
肩を並べて歩いている事が幸せで
いつまでも二人が続いて行けばいいと思う

泣き疲れて
母親の膝の上で眠った
しっかりと腕にしがみついて母親の温かさの中でぐっすり眠った

そうやって私が泣いている時にあなたがいて
大丈夫だよって頭を撫でてくれたら私はきっとあなたの手を握りながら安心して眠れる

あなたがいないと駄目だなって情けないけど本当に思う
こんな私でごめんなさい
でもこんな私でもいつまでも愛して
あなたじゃないと駄目だから
あなたが必要だから

だから少しのわがままは許してね



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