侵入者排除せよ

由稀  2008-03-11投稿
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俺の家は高層1500階建て。
兄のツトムと二人で稼いだ金で建てた自慢の家だ。
いつものように建物の中層にある食卓で大食らいのツトムが作った昼ご飯―今日は中華料理づくし♪肉汁たっぷりの肉まん、シュウマイ、酢豚、八宝菜、などなど―をがつがつ食べているところに、
「ぴんぽん」
ドアフォンが鳴った。
すかさず俺が出る
「どちらさまでしょうか」
「俺だよ」
声ですぐ分かった。俺たち兄弟を虐待したうんこたろう(義父)だ。金をせびりにきたに違いない。
もちろん俺は家に入れるつもりなんぞない。
「俺だよってオレオレ詐欺かよ。ネタがフリぃーんだっつの。帰れうんこ」
「わかった」
今日は何だか潔く帰るな。
実はこいつを追い返すのは今週3回目。ものすごくしつこいのだ。
食事の続きをしようと席に戻りかけた所で、窓ガラスがガタリと揺れた ツトムがその音を見逃すはずは無い。
窓から体を乗り出してうんこ太郎の足をがっちりつかんだ。
奴は壁の階段からよじ登って我が家に進入しようとしていたらしい。
「させるかぁぁぁぁぁぁ!!ツトムちゃんのお家に上がり込むなんて許さないからぁぁぁぁぁ!」
ツトムは逃げるうんこ太郎をものすごいスピードで追っております。多分…マッハ5。
すると、梯子の上の方に今までこっそり上っていたおなこ(うんこ太郎の妻)が見えた。
奴はそろそろ上にたどり着きそうな予感…
うんこの方も…
ツトム加速いたしました―マッハ7。
1450階
うんこ「はぁはぁ」
おなこ「はぁはぁ」
俺はそれを家中のテレビに実況中であります。 「おっとツトム1449階まで行った―!!一方クソ野郎どもは…止まってます」
「よっしゃあツトムちゃんの勝ちぃぃ!!」
「お!!クソも逃げてますね…」
最上階まで行くと、俺の部屋の押入に通じるドアがあるのだ。ツトムには頑張ってもらわなくちゃ。
てか空飛んでる俺が捕まえるって手も…
「そうこうしているうちに1495階まで来ました!!あれ、クソの様子が変だぞ…まさか、ここに来て高山病か?」
ツトム「ニヤリ」
「そして今、がっちりと2人分の足を掴みました!!」
ツトムは足だけで梯子にしがみつき、2人をぶんっと下にぶん投げた。
「きぃやぁぁぁぁぁ!!」
「よし、死んだな。何とか家を守れたぜ。」
下に降りると奴らはそそくさ逃げていった。
「生きてんのかよ…!!」



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