『奈央ちゃん、
聖人と付き合ってどのくらい?!』
あたしの髪にカラーリング剤を塗布しながら、ミズホさんが言ったー。
『一ヶ月ちょっとです‥‥‥。』
改めて実感したー
『奈央ちゃん‥。
エッチは‥?!
もうした?!』
不意にミズホさんが手を止めー
あたしの顔を覗き込んだー。
『‥‥えっ?!』
突然の質問にびっくりしたー。
『ま‥まだです‥‥。』
カァーーーッ。
顔に向かってー
体中の血液が上昇して来るのがわかったー。
『ムフフ。じゃあ〜‥‥チュウは?!』
ミズホさんは尚も質問して来たー。
『えっ‥あ‥‥は‥はい。』
更にカァーーー‥。
『なるほどぉ。
チュウはしたのね!!ムフフ。』
最初はー
ミズホさんが、
あたしの反応を見て楽しんでいるのかと思ったー。
でもー
『奈央ちゃん。
聖人は、ああ見えてオクテなのよ。アイツ、結構モテるのよ。奈央ちゃんも3-5の教室に来るようになって分かったでしょう?!
あたしら三年の取り巻きが凄いってコトが。
アイツ、あんなにモテるのに、全然目もくれないの。
変に優しくして、
誤解されても困るしね。
奈央ちゃん、聖人は‥あなたのコト、
凄く大切にしてると思う。』
ミズホさんは、イイヒトだー
常に、あたしのコト、親身になって考えてくれるー。
『ミズホさん‥。
ありがとうございます。』
思わず‥ふぅっと涙ぐんでしまったー。
ミズホさんと居ると安心するー
あたしが一人っ子のせいだろうかー
まるで、実のお姉さんみたい‥‥‥。
『やぁだ。奈央ちゃんどうしたのぉ?!奈央ちゃんは感動屋さんだネ。
ほらっ!!もうすぐ全部塗り終えるよ!!後は時間を待つだけだよぉ!!』
ミズホさんとあたしの二人だけの不思議な時間が流れ過ぎたー。
ミズホさんによる、“あたしの改造計画”はー
着々と進んでいった‥‥‥。