「藤野さん。藤野由奈さん!ぼんやりしてないで授業に集中しなさい。」
「…すいませ〜ん。」
なぜこいつはいつも私だけを注意するのか。
他にも話を聞いていない人は居るし、中には寝てる人だって居る。
ぼんやりするのは当たり前だ。
季節は夏。
段々と暑くなってきたし、私は部活で疲れがたまっている。
部活は中学から続けてきたテニス部に所属している。
練習は厳しく、終わるのはいつも7時過ぎになる。
それに塾にも通っている為、家に着くのは10時がざらだ。
寝不足で全く授業に集中出来ない。
「暑いしうぜぇ…。」
ボソッと呟いたつもりが先生には聞こえてしまったようで、しこたま怒られてしまった。