どうしようもなく
苛ついた。
腹の底から
込上げる怒りは
やがて涙に変って流れた。
私がここまで
苛ついているのは
生理痛で腰が痛いから
ではなく
お気に入りのワンピースに
コーヒーをこぼしたから
でもなく
こいつが
浮気していたから…。
どうしてだろう…
今目の前で
動揺している
こいつより
浮気相手に
腹が立つ。
どうしてだろう…
今すぐに
張り手でも食らわして
サヨナラと言ってやりたいのに
こんな男が
どうしようもなく好きだ。
こぼれたコーヒーが
テーブルから滴って床に広がる様に
私に出来た小さな傷が
こいつの言い訳で広がっていく。
それでも
この男が嫌いになれないんだ…。
それでも
私のものって繋いでいたいんだ。
このしょうもない男が
好きだから。