歓楽街を羽ばたく
私は夜の蝶。
派手な羽を翻し
甘い蜜に手を伸す。
それが
私を捕らえる罠だとしても
私は貪欲に食らいつくの。
いつからか
痛みは感じなくなった。
心も体も
夜の黒に染められて
女を売った私は
太陽の下では生きられない。
泣いた夜も
あったわ…。
でも、あれはもう
遠いおとぎ話。
綺麗事だけじゃ
世の中
上手く進めないの。
金持ち達の欲望は
黄金の束に変ってく
闇に飲まれた女は
この世界から消えていく
此処は
そういう所。
私は此処で一人
生きて行く道を選んだの。
寂しくなんかない。
此処は何でも手に入る。
寂しくなんかない。
此処では私は女王様。
蝶達は
今日もまた
傷だらけの羽で
飛び立っていく
いつか見た
明るい空を夢見ながら。