手早い作業でブロックが積み上げられ―\r
刑場が完成した。
更に、三方をブロックに囲まれた中に、丁度人の背丈位の杭が二本打ち込まれ―\r
20M離れて、イジメ撲滅同盟派諸校の風紀委員達が13人ずつ列を組み、小銃を構える前で、罪人達が次々とロープで杭にぐるぐる巻きにされて行く―\r
罪人達の真後のブロックの上には、梅城ケンヤと赤木マモルの二人が立った―\r
合計20人の死刑囚に130人の風紀委員―\r
全ての委員が《平等》に実弾射撃出来るよう、ローテーションは組まれていた。
『ひ、ひいっ・・・助けて、助けてくれ!!』
『あわわ…こ、殺さないで…お願い・・』
目隠しもされないで杭に結び付けられたイジメグループ達は、彼等に向けて不気味な黒光りを放つ銃口と、風紀委員達の研ぎすまされた目に脅え、膝をガクガクさせながら命乞いを試みたが―\r
『第一列、構え!』
ためらう様子すら見せずに赤木マモルはすぐに号令をかけ―\r
『撃っ!!』
パパパパパパパパパパパパパンッ!!
引金を引かれた13の銃口が一斉に火を吹き―\r
甲高い破裂音が鳴り止む前に、体中を穴ぼこだらけにされた二人は絶命した。
処刑は無機質に、機械的に進められて行った。
まるで、流れ作業だ。
『お、おい・・・本当に殺すのかよ・・』
『俺は…やってねえよ…やってねえって!!』
『第二列、構え!撃っ!!』
パパパパパパパパパパパパパンッ
『嫌だあぁぁぁぁっ、許してえ!もうしません、もうしませんから!』
『ウェェェェン死にたくない…死にたくないヨオォォ』
『第三列、撃っ!』
パパパパパパパパパパパパパンッ!
ある者は泣き叫び・ある者は無実を訴え
そしてある者は余りの恐ろしさに失神し・小便を垂れ流す者すらいた。
だが、その全てが、わずか二秒の間に血と煙を吹き上げながら死んで行く!
そして手際良く、あらかじめ頼んで置いた死体処理業者の冷凍ダンプに積み込まれて行く―\r
防腐シートにくるまれて―\r
どんな者にも死は平等に訪れた。
梅城ケンヤが、彼等に平等な死を与えたのだ。
だが―\r
最後に杭に縛られたのは二人ではなく一人だった。
まだ一人だけ生かされていたのだ―\r