私が学生の頃に
体験したお話しをしましょう…。
私の実家はだいぶ山奥にあります。
そのせいか、実家のある地域は幽霊が出るとか呪いの神社があるとか、根も葉もない様な噂が広がっていました。
私は18年間そこに住んでいるので、そんな噂信じていませんでしたが、アレを初めて見た時は、恐怖で引越しを考えた程です。
ある冬の夜。
私は近所に住む友達の家にいました。
時計の針が深夜の1時を回った頃、私は明日提出の課題を思い出し、自分の家に帰る事にしました。
近所と言っても、家まで歩いて10分位離れています。
その間、街灯はたったの3本だけ。
私は真っ暗な中、小走りで帰っていました。
1本目のバス停付近の街灯を通り過ぎ、2本目の自販機の街灯を通り過ぎ、次の神社前の街灯を過ぎたら家。
遠くから見えた街灯に
安心感を感じて私は足を早めました。
街灯の明るさを少し感じられる距離まで着くと、私はその足を止めました。
何故なら
街灯の下に幼稚園生ぐらいの子供が背を向けて立っていたからです。
こんな時間に子供が一人で何やってるんだろう…?
親は近くにいるんだろうか?
私は目が悪く、その時コンタクトをしていなかったので、子供の容姿が分からなかったのですが、一人でポツンと立っているのは分かったので、心配で近寄って行きました。
徐々に子供の容姿が分かるにつれて、私は恐怖で動けなくなりました。
その子は、綺麗なオカッパ頭で冬なのに薄い丈の短い浴衣の様な物を来ていました。
その短い袖と裾から覗く手足は、尋常じゃない位細くて、どす黒い色をしていました。
私は直感で「あ!人間じゃない」と思いました。
するとその子は、こちらに気付いたのか、ゆ〜っくりとまるでガチャポンのノブを回す様に、
ギッギッギ
と首だけ回して振り返ろうとしてきました。
私は目を合わせたら何かいけない気がして、その場から逃げようとしたけど、足がすくんで動けません。
その間にも、ギッギッギと首を回している子供。あともう少しで顔が見えそうな時に、やっと足が動いて、無我夢中で走って帰りました。