その笑顔はとても綺麗で、眩しくて。
自分の周りだけ時間が止まったみたいになった。
それからいつの間にか雲英くんを目で追うようになって、芽生えた感情が“好き”に気付いた。
…でもそれ以来会話らしい会話なんてしたことはない。
「…………あんまし、こんなタイプ嫌いかな…」
石ころを蹴飛ばした。
もしかしたら、あたしみたいな背が高めの女は嫌いかも知れない。
涙と笑顔が似合う女が好きかもしれない。
頭のなかには、そればっかりで。(たまにあの馬鹿のヘラヘラした顔がチラつくけど)
「どーしよーも無いじゃん」
そうよ。
あたしは他の女みたいに光なんてない。
きっと色だと黒にあてはまると思う。
それでも、たまに告白されたりするから、こんな自分でも自信がもてた。
けど
けど。
「天と地の差っぽい」
自分の言葉にダメージを受けた。
でも、きっと。
「豆の木育てて、天まで上ってやる…」
こうやって目標をたてるのがあたしの日課。
─ここでいつもなら翔が出てきて『なぁにが豆の木なの?』とかなんとか言いながらアタックかまして‥
「ねぇ!なにが豆の木?そんなんで天まで上る気?」