キュルルルッ!ヴォアッ!グォアッ!!
「アマギ・リョウ」は慣れた手つきでキーをひねり車のエンジンをかけた。
月明かりに照らされ、身もだえするように青く輝くボディー…
「RX-7 FC3S」…それがアマギの唯一心を許せる相棒…いや、愛車の名前だった…
午前1時、岩○県千人峠。
キーギャギャギャッ!
さぁ!来やがれ!「蒼月の弾丸」!!
黒い「スカイラインR32 GT‐R」を駆る男はそう叫んだ。
後方からハイビームで迫る青い車体…アマギのFCだ。
ヴォアッ!シュパーッ!
ちいぃっ!こっちはトータル五百馬力でてる最強のGT‐Rだぜっ!FCなんかに負けっかよ!!
ドンッツ!Rの男は3速にシフトダウンしアクセルを踏み付けた!
Rの強烈な加速と高速コーナリングのGで、Rの男の体がビリビリとシートに押さえ付けられる!!
これだけ飛ばしゃあ!!何っ!?FCが離れてねぇだと!?
うぉおっ!?
Rの男の動揺に気付いたのかアマギのFCがアウトラインからRを抜きにかかる!!
ドギャァアッツ!!
FC!死にてぇのか!?
オーバースピードで崖につっこむぞ!?
ありえない速度でコーナーにつっこむアマギFC!だがっ!!!
ギュギョァアギャァアッ!!!
なっ!?ドリフトだとっ!?
アマギのFCは完璧なまでに正確なドリフトで、美しくテールスライドさせコーナーを抜けた。
完敗だ…ぜ…
後は細かく続くコーナーの連続…完璧なドリフトを見せつけられたRの男にアマギのFCを抜きさることは出来なかった…
青いボディーが怪しく輝く…「蒼月の弾丸」とよばれる伝説の走り屋…アマギとFCはいつまでも走り続ける………