ぼくらの金メダル〜6

Kっち  2008-03-15投稿
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県予選から帰ってきた僕たちは、緊張していた糸が切れかけていた。
長い時間をかけて移動したのに、あまりに短時間で決着がついてしまった試合内容に、茫然とし、大きな目標を失ってしまっていたからだろう。

6月も半ばを過ぎ、梅雨の季節となっていた。

この頃の僕たちはというと…
予選リーグを勝ち上がっても、雨のせいで途中で中止になってしまったり
2敗はしないにしても、予選敗退が何度か続いて、決勝リーグへあがれない日々が続いていた。

僕たちチームが、年頭に掲げた目標の中に、秋の県大出場…というのがあった。これは、ただ出場するだけでは無くて、『3連覇』が、かかっていた。
その予選が、行われた。
2つ勝たないと…あがれない。
1勝1敗……まさか…そんな…
試合の内容自体は、決して悪くなかった…はずだ。打線も…守りも…五分五分だった。どちらが勝ってもおかしくない試合だった。最終回…マークしていなかった下位打線の選手に…打たれた…大きいのを…一発。
『気持ちで負けたんだ』と、言われた。『勝ちたい。』気持ちが、相手チームの方が強かった。とも言われた。
予選くらい勝ちあがれるだろうと、たかをくくっていたんだ。それは、大人たちも同様だった筈だ。
完全に、僕たちは目標を見失ってしまった。緊張の糸は、完全に途切れてしまった。

僕たちと、それを見守る大人たちの、挫折と、新たな戦いが始まる。
これからが、本当の僕たちの成長の記録なのだから。

梅雨の終わりを告げる落雷と嵐が過ぎ、そして、
暑い夏が…始まる。



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