聞いた事もない声にピタリと足を止めた。
気のせいかな…。
「…麗?なんか言った?」
「え?何も。
…由奈ぁ〜。早くしてよ〜。」
ほっぺを膨らませ、麗が怒り始めた。
「ふぅん、由奈か…。い〜ぃ名前だな。」
…由奈?確かに自分の名前を呼んだ。
…気のせいじゃない。
しかし、この公園には二人しかいないはずだ。
背筋が…ゾクっとする。
「だ、誰…?」
辺りを見回してもやはり誰もおらず、次第に恐怖を覚えていった。
「ここで会ったのも何かの縁だ。…お前の望みを叶えてやるよ。」
私の…望み…?
ドクン。心臓が大きく脈を打った。