『自分を大切にしなよ。相手に求められたからって、直ぐ許しちゃダメ。』
びっくりしたー。
ミズホさんはイイヒトだからー
あたしのコト、凄く親身になって考えてくれてるのは分かってたケドー
その言葉の裏には、何か深い意味が込められている様なー
そんな気がしたからー。
『はい。』
ミズホさんにもー
あたしの知らない所で“悩み”なんかがある訳でー
『エッチだけが目的の恋愛なんて、あたしら中学生には、まだ早いじゃん?!』
そう言って、ミズホさんは笑ったー。
『あは。そうですね。』
ミズホさんの言葉に頷きながらもー
あたしは色々なコトを考えていたー。
聖人と付き合って一カ月ちょっとー
毎日一緒に帰っているけれどー
聖人と過ごせる時間はただそれだけでー
学校から離れた後の、聖人の私生活もー
あたしは全然知らないしー
まだまだ知らない、聖人の世界もたくさんある訳でー
それを知ってる聖人の親友のサトル君に、ちょっとヤキモチを焼いてみたりしてー。
やっぱりー
どこか満たされないあたしの気持ちー。
あたしはー
まだ聖人のコトを、全然知らないんだって事にー
今気づいたー。
『あたしは、奈央ちゃんと聖人をこれからも応援してるよ!!』
“これからも応援してるよ”
ミズホさんの、その一言がー
何よりも嬉しい、あたしを元気づけてくれる、エールになったー。