父親参観日、当日。着慣れないワイシャツの上にジャケットを着て下はジーパンという格好で幼稚園に向かった。
幼稚園に着き、美緒のクラスのひまわりぐみに向かう。近づくにつれ、何故か心臓がバクバクしていた。歩き方も足と腕が同時に出ていて、まるでおもちゃの兵隊のようだ。そして教室に着き、ゆっくりと戸を開けた。
教室にはもう他の子の父親達がほぼ揃っていて、自分が来た時には先生が出席を取っていた。入ってみて気付いたが、お父さん達は20代後半から30代前半、40才近いと思われる父親ばかりだ。その中にまだ10代後半の自分がいるのだからやたらと目立つ。不思議と色々な所から視線を感じた。
いつの間にか出席も取り終わったらしく、先生が話しをしていた。「はいみなさん。今日はみなさんがいい子にしていたので、全員のお父さんが来てくれました…」と話している。全員来たということに驚いていた。