「おい孝、暇すぎるからまた面白い話してくれ」
「んなこと言われても、いきなりは無理だぞ」
「あー、ならまた体験談でいいや」
「…何か微妙に投げやり的になってるが、まあいいか。俺今コンビニでバイトしてんじゃん?夜中に可愛い女の子が来たんだよ」
「へえ、そんな夜中にねぇ」
「だろ?だから俺も妙に気になってな。ずっと彼女を眺めてたんだよ」
「まあ夜中だから仕方ないわなあ。どうせ客は彼女一人だったんだろ?」
「いや、他に十人以上いた」
「はあ?嘘だろそれ?」
「コンビニの外に」
「怖っ!普通に良くない集団の集まりがいたんじゃねぇか!よく彼女、そのコンビニに来たな!」
「いや、普通に外で昨日のボランティア活動についての話を五時間以上してた」「なんなんだその集団は…まあいいや、んで、彼女はどうしたんだよ?」
「弁当買ってた」
「何だ、普通だな」
「それと、ライター二個、スポーツ新聞、マッチ」
「何かどんどん犯罪者臭くなってきたな…」
「それと、野球雑誌、サッカー雑誌、プロレス雑誌」「…俺の中で彼女の存在が分からんようになってきたぞ…」
「それ全部、カゴに入れてから元に戻してた」
「…結局何しに来たんだその女は…」