二人の蛍
「やっべ!!」
大きな声にびくっとしてあわてて起きた!!
その声に部屋いっぱいに寝ていたみんなもいっせいに起きはじめた。
起きてすぐまさとと目があった…。
とっさに目をそらした…。「みく!送ってって!」
そういわれておにぃ、まさと、他の二人をつれて車に乗った。
他のみんなはもう1台にのってそれぞれ帰っていった…。
車のなか、まさととは一言もかわすことなく、あたしは避けるようにおにぃと話しをしていた…。
みんなを降ろした帰り、あたしの携帯がすぐになった。
すぐ誰かかは検討がついた…。
まさとからのメール…。
今日みくのバイト終わったら遊ぼう!?
一瞬ためらったけど、さっき別れたのに、もう会いたい気持ちがあって、いいよっ!っと返した…。
1分もたたないうちに、やった!っと返信がきた…。
深夜0時。
約束の場所へ向かうとまさとがひとり立っていた…。車を止めおりると急に抱きついてきた。
「何?何?何?」
あわててそういうと、
「おにぃがやってるの見て俺もやりたかったんやもん。」
そういわれあたしに触れてる手をなかなか離さない。でもイヤではなかったけど心臓がとびだしてしまいそうなほど激しくどきどきしていた…。どきどきしてるのがバレてるんじゃないかと不安だった…。
「いこっ!」
「へっ!?どこに!?」
「いいから!」
そういわれさらに森の中を車で走る。
「ここ!」
そこは真っ暗で薄気味わるかった…。
「何もないじゃんかぁ〜。早くかえろ〜よぅ〜。」
その薄気味悪さに恐かった。
手をひっぱられさらに5分ぐらい歩くと、真っ暗だった目の前に小さな光が見えた…。
「何?何?何よ?…蛍?」
「そぅ!」
そういってもう一歩前へいくとそこは日本中の蛍が集まったんではないかと思うほど蛍の光でいっぱいだった…。
あたしは初めて蛍を見たし、あまりのきれいさに感動した…。
あたしは楽しくって、すごく楽しくってはしゃぎまくった。
二人で光の中を走ったり、捕まえたり、笑ったり。
しばらく二人でじゃれてると、まさとがあたしをまた今度は強く抱き締めた…。
しばらく見つめ合った。
すごくドキドキしていたけどあたしは静かに目をつむった…。
二人は蛍の光の中で何度も…、何度もキスをした…。