私はあいつのことなんてなんとも思っていなかった……
あれが起きる前までは……
ある暑い夏のことだった
私達の中学校では運動会の真っ最中だった
元々私は運動が苦手だったので100メートルを走ることにした
結果は予想通りの最下位…
まぁこんなもんだろうと開き直った
次はクラス対抗のリレーだった
私はクラスでは速い男子のあとに走る予定だった
そこであることが起きた
私が走ってる途中で足をひねってしまい、こけてしまった
そのせいでクラスは最下位になった
リレーが終わったあとに保健室に行こうとしたが、足が痛くて立てなかった
そこで困っていると突然声をかけられた
「大丈夫か?」
その声の持ち主は謙二という幼なじみだった
「うん。大丈夫…」といって立ち上がろうとしたら足に痛みが走った
「痛っ!」
「ほら、やっぱり駄目じゃねぇか」と言いながら私をおんぶした
突然の事だったので驚いた
「えっ……ちょっ…何?」
「保健室まで送ってやる」
そう言って黙って送ってくれた
謙二の背中は暖かく、広く感じた…
そこから私の恋が始まった…