「ベイス」の中央広場では多くの怪我人が集まって、ロイ、ミリス、ルイスの魔法治療を受けていた。
「うわあーん!痛いよお!」
「大丈夫よ。ほら、痛いの痛いの飛んでけー」
エミリアは痛がっている子を優しくなだめながら、剣をかざして傷を治していった。
「わあ、痛くなくなった!」
「あ、ありがとうございます!」
子どもの母親がそれを見て深々と頭を下げた。
「いえ、そんな…これも、ソードメーカーとしての役目ですから」
エミリアはにっこりと微笑むと、子どもにさよならを言って、次の怪我人の治療を始めた。
「わ…私、見たんです!光の塊が空から降ってきて、屋根に落ちるのを!」
怪我の治療にやってきた一人の女性が、真っ青になりながら、叫んだ。
「俺も見たぞ!」
「私も見たわ!」
その言葉を聞いて、治療を受けた人々は口々にそう言っていたが、やがて、
「…あれってやっぱソードメーカー…だよなあ?」
「ああ、間違いねえだろ…」
という憶測まで発展していった。
それを聞いた三人は、ギクリとなって、一瞬、肩を震わせた。
その憶測によって、徐々に人々の三人に向けられる目が変化しているのが、ロイ達には分かった。