ドアが開くと、20代前半と思われるようなきれいな顔立ちの女性が入ってきた。
全体的に細めの体付きで、白で統一された服装。髪は長め、容姿端麗、いわゆる「お嬢様」という言葉が似合いそうな人。というのが初見のイメージである。 とりあえず、お互い軽く挨拶がてら自己紹介から始まった。
「初めまして、西條 言乃(ことの)と申します。」 「どうも、・・・と言います。以後よろしくお願いします。」
「こちらこそ、お願いします。」
「では、今回の依頼の説明をおねがいしたいのですが…。」
「はい…、えっと、私の祖父のお屋敷で明日、食事会があるのですが、昨日このような手紙が私の家に届いたんです。」
バッグを開けると中から一枚の手紙を出した。それを、僕に差し出した。開けてみると、一枚の紙が入っていた。そこには、
「明後日に行われる食事会に行ったら、その日きたやつの中から一人ずつ殺害していく。…」
「…なんというか、キチガイの一言につきますね。」
「はい。…あの、私はどうすれば、いいのでしょうか?」
「んー、とりあえず、僕もついていくんで行ってみましょう…。」
あっさりと引き受けたこの仕事が、悲劇の引き金になることは、まだ誰も知るよしもなかった。