子供2

レオン  2008-03-17投稿
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家に着くと、私は家中の鍵を閉めて布団に潜りました。

「もし、あの子がついて来ていたら…」

こういう時に限って、両親は旅行中で、家の中には私一人。
しばらくの間、怖くて寝付けずにいましたが、いつの間にか私はウトウトし始めました。

カラカラカラ

一階から音が聞え、私は目覚めました。
その音は明らかに、玄関の引き戸を開ける音…。

「さっき鍵を閉めたはず…。まさか泥棒?いや。もしかしたらあの子?」

そう思っていると

「ごめんください」

と玄関から、お婆さんらしき人の声がしました。

私は少しホッとしました。
後から考えると、深夜に誰かが訪ねて来るなんておかしい話ですが…。

「ごめんください」

私は、自分の部屋を出て階段を降りて行きました。

「ごめんください」

玄関まで行くと、私は背筋がぞっとしました。
そこには誰もいなかったのです。しかも、鍵もちゃんと閉まっています。

「じゃあ、さっきの声は?」

私が恐怖で玄関を呆然と見ていると

「ごめんください」

と私の背後から声がしました。

私はもう怖過ぎて、声も出ませんでした。ゆっくりと後ろを振り返ると、暗い廊下に顔を伏せたさっきの子供が立っていました。

「ごめんください」

ギッギッギと伏せた顔をゆっくり上げる子供。
私は一目散に自分の部屋へ逃げました。

幸い、私の部屋のドアには鍵が付いていたので、鍵をしっかり閉めて私は布団に潜りました。

ペタッ
ペタッ
ペタッ

裸足で歩く音が鳴り響きました。「こっちへ来る!」私は携帯で友達に助けを求めようとしましたが、電話が繋がりません。

ペタッ
ペタッ
ペタッ

足音は階段を上がって来ました。
「助けて!」

ペタッ
ペタッ

足音が私の部屋の前で止まりました。

私は何故か必死に南無阿弥陀仏と唱えていました。

「ごめんください」

「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」

「ごめんください」

「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」

あの子供の声は次第に大きくなっていきました。

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