「ギャッハッハッハッ!!」
「ざまぁ見やがれってんだ!ハッ!」
パラシュートに掴まりながらハルと野口は地上に落ちてピクリとも動かない“堕”天使を見て大爆笑していた。
まともに戦闘機2機の特攻を受けた“天使”は地上にまっ逆さまに落ちて機能を停止したのだ。
「痛ェ!」
“天使”の近くの地面に降り立った時、野口が足を押さえてうずくまった。
あおかぜ艦内で靴をなくして裸足の右足に東京のコンクリートの残骸が刺さったのだ。
「いっ痛〜先行って」
「何が?」
「いつつ……そいつだよ。まだ生きてるかもしんねー。パイロットの生死の確認ってヤツだよ。…あ〜痛て」
「あ、そうか」
ハルは念のため腰の銃を抜き、天使によじ登り始めた。
「どうしてやろうな。生きてたら」
「ケツの穴に手ェ突っ込んで歯ぁガタガタいわせてやらァ」
足に刺さったトゲを抜きながら野口が遠くから言った。
「だとよ」
WWのコクピットは胸部。ハルはおそらく胸部と思われる辺りを探してみる。
案の定、緊急脱出用と見られるレバーがあり、ハルは銃を構えながらレバーを引いた。
プシュと空気の抜ける音と共に胸部がゆっくりと開き始めた。