花「咲く」。

アイ  2008-03-17投稿
閲覧数[367] 良い投票[0] 悪い投票[0]

花は咲いてもボクは咲かない。

咲けない。


光が足りないから。


水も。温度も足りない。寒い。



……どうして花は咲くんだろう。


こんなにも冷たい場所で。ひび割れた地面で。


闇に包まれているのに。

どうして。



ボクには何もかも足りなかったよ。



光という名の夢も。


水という名の希望も。


温度という名の愛も。

何もかもが。



……なぁ。



君はどうして咲くんだい?



一人でつらくはないか?



光が足りなくないか?

水が足りなくないか?


温度はあるか?



――どうして。



キラキラ輝く、花を見つめる。


見ていてわかった。

ようやく知った。



君自身が輝いているからだ。



君は負けたくないんだね。


何が足りなくても、どんなに絶望的な状況でも。



だからそんなに綺麗なんだ。



「咲ける」んだ。



……ねぇわかったよ。



ボクも……頑張るよ。



負けない。



「咲いて」やる。



だから……だからそこで見てろよ。



ボクの花を。ボクの花の色を唄ってくれ。




――そうしたら、ボクに名前をつけてくれるかい?


i-mobile
i-mobile

投票

良い投票 悪い投票

感想投稿



感想


「 アイ 」さんの小説

もっと見る

詩・短歌・俳句の新着小説

もっと見る

[PR]


▲ページトップ