でも、どこか。
悲しげな声。
「嫌なコトでもあったわけ?」
気が付けば口からそんな言葉がでていた。
「まっさかぁ〜!なになに?心配してくれてる?わーい!ありがと〜」
「?」
確に、確に。
普段と一緒のテンションなのに。
馬鹿みたいにヘラッと頭にくる言葉吐いて、馬鹿みたい、…馬鹿、なのに。
「やっぱ、変…」
きっと、これが“心配”なんだと思う。
柄にもなくソレが働く。
なにか、違う。そんな気がする。
「や、ホントなにもないって〜」
「翔?」
背を押す手が震えてる気がする。
え、なに…?
「翔…?」
「………」
やがて翔から与えられる手の感覚はなくなって、手が触れていないことに気付いた。
振り向けば腕は下ろしていて、顔を伏せていた。
…覗きこんで、驚いた。
「っ…?なっ、なに泣いてんの!?」
なにが、辛いの?
「ね、ねぇ!翔どうしたわけ?意味わかんないよ…!」
ほんとに、意味わかんない。
私?私が原因?
暴言を浴びせすぎて、傷付いた?いや、な訳ない!絶対!!
…じゃあ、なに?
「ねぇ‥「俺さ」
肩に触れたとき、ポツリと翔が呟いた。