桜舞散るこの季節、
今思えばいろいろあった.....
たくさん愛し合って、たくさん泣いた。
僕のそばに落ちてくる桜の花びら。手にとり目をつぶれば、数々の記憶が鮮明に思い出される...
◆<プロローグ>
今年高校生になった真次。特に勉強が出来るわけでもなく、運動神経がいいわけでもなく、やりたいこともなく平凡な毎日を送っていた。
「よぉ!!真次、最近どお??可愛い子見つけた??」
こいつは健二。中学からいっしょでいつも元気なやつだ。高校生になってまだ一週間、やっぱり男どもの間では女の子の話でもちきりだ。でも僕は正直女の子とかには興味がわかない。高校生にはめずらしいのかもしれないけど、本気で人を好きになったことがないし、恋をすることの本当の意味なんてまだ知らなかった、彼女に出会うまでは....
◆<出会い>
今日、僕はいつものように学校に行き、何もすることがなく家でゴロゴロしていた。そんなとき一本の電話がかかってきた。「プルルルル...プルルルル」僕は眠たい目をこすりながら電話にでた「もしもし」
「もしもし!!真次??よかったぁ、でてくれて」
知らない女の声だった。やわらかい声をしていて、たぶん歳上だろうと思った。「私沙月、覚えてる??」
親父の友達の家の子だった。小さいころはよく遊んだりしていた。
「あぁ!!沙月か。久しぶりだなぁ。どうしたんだよ、いきなり」
「うちの親がね、明後日から一年くらい海外出張だから、しばらく真次の家でおせわになりなさいって。だから電話したの。これからよろしくね!!」
こうして沙月といっしょに暮らすことになったのだった...