公園に咲く一輪の花
雑草に紛れて咲くその花は強く逞しく大地にしっかりと根を這って生きている
小さいけれど何処か健気で風に揺れる姿が美しい
何だか君に似ていて君を思い出して切なくなる
『私は大丈夫』
いつも君はそう言って笑った
受話器から伝わる声に君の強がりを感じる
表情は見えないけど本当は寂しい思いをしていることも分かっている
『きっと待つことよりも待たせる方が辛いから』
君の優しさから孤独な思いが伝わる
その言葉が有り難くて僕をいつも支えてくれた
もしもそれが君の自分へのせめてもの慰めだとしたら
そう思うと僕は君の元へ会いに行きたくなる
『早く帰って来て』
不意に零した言葉
何かに気付いたように君は『冗談だよ』ってごまかして笑った
君の気遣いと油断して出た言葉に心が痛む
今どんな顔してる
今にも泣きそうな顔をしているのではないだろうか
何となく弱々しく耳に響いた声の中に君の本音を聞いた気がした
君の強さの中にある弱さ
たくさん淋しい思いをさせて来た
我慢をしてくれていることも十分分かっている
たまには弱い君を見せてくれていい
苦しみに崩れて頼ってくれていい
泣いて情けない君を見せてくれていい
どんな君も愛して行ける
色んな君を見てみたい
君には感謝している
明るくて僕を励ましてくれて僕を待っていてくれて愛していてくれる
『いつでも笑っていて』
離れる前僕が君に言った
その約束を守り続けている君が少し可哀相で後悔もする
たくさん無理をさせて来た
淋しそうに目に映る花をいつまでも枯れないように綺麗に咲き乱れていられるように守って行きたい
命の源になれるように
そんな存在でいたい
少し大袈裟だけど
そんな僕になりたい