君が出て行ってからもう半年が経つ
少しは傷も減ったけど何処か物足りない
君が残して行った物を捨てる時情けないけどやっぱり寂しくて泣いた
君が使っていた歯ブラシ
君が気に入っていたグラス
君が使っていた膝かけ
あの頃当たり前のようにこの部屋に存在していた物が宝物のように感じて何度も躊躇った
まだうまく慣れない
一人の生活に
一人の空間に
鍵を差し込んでこのドアを開けたらその先には君が居て『おかえり』って笑ってくれるような気がして
ただの未練だと笑われても仕方がない
だけどどうしても忘れられなくて
喧嘩をした日々よりも笑い合った日々を思い出す
君の嫌いだった所よりも好きだった所を思い出す
一人の部屋は寂し過ぎる
思い出が多過ぎた分
忘れるまでに時間はかかる
忘れたい
そう思うけど忘れられない
ドアを開ける瞬間
また変な期待が胸を過ぎる
奥にある部屋が目に飛び込む瞬間現実へ呼び戻される
この部屋も心も大きな穴が空いてしまった
君のいない空間
消えてしまった君の香り不意に出る溜め息
孤独な部屋
空気が薄くなる