奈央と出会えたから。<107>

麻呂  2008-03-20投稿
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* * * * * *

“あたし改造計画”は、無事終了したー。


『奈央ちゃん。もう6時過ぎてるわよ。』


ミズホさんが、そう言ってくれるまでー

あたしはー


時間のコトを、すっかり忘れていたー。

『えっ?!もう6時過ぎちゃいました?!ミズホさん、あたし‥そろそろ帰ります。』


お母さんー


もう帰ってるよねー。


『まだいいじゃんって言いたい所だけど‥‥。奈央ちゃんをあんまり遅い時間までお借りしてちゃ、聖人に怒られると思うしぃ。』


ミズホさんは、そう言い終わるとー


あたしに何かを手渡したー。


『はい。コレ。あたしのメイク道具なんだけどー。
明日の朝、メイクして学校おいでよ。
コテも一緒に貸してあげるネ。
巻き方は、あたしのやり方見てたでしょ?!どうせやるならカンペキにしようよ?!聖人、奈央ちゃんが、益々可愛くなった姿見たら、きっとびっくりするよ!!あ〜〜〜!!明日の朝が待ち遠しいわぁ〜〜〜!!』


何を言っても憎めないヒトがミズホさんだよなぁ‥‥って思ったー。


『それとさぁ‥。』

ミズホさんは、今度はポーチの中から何かを取り出したー。

『はい。コレ。何時か必要な時が来たら‥ね?!』


思わず受け取った手のひらの中にー


ソレは、ちょこんと収まったー。


『‥???‥‥。』

あたしはー


ソレが何なのか、直ぐに分かったー。


『あの‥ミズホさん‥‥。』


あたしが自信無さげにそう言ったらー


『なぁに?!奈央ちゃん。』


ミズホさんは、優しい言葉で返してくれたからー


『あたし‥そういうの‥イマイチよく分からなくて‥。』


正直な気持ちだったー。


別に猫をかぶりたい訳じゃなかったー。

『大丈夫。そのトキは、また‥あたしが相談に乗るヨ!!』

ミズホさんのいつものキュートな笑顔で言われたからー


『はい。』


あたしは、本当に安心出来たー。


だってー


そんなコトー


恥ずかしくて誰にも聞けないじゃんー。

ましてー


1-3のクラスメイト全員からシカトされ続けて来てー


しかもそれがー


親友だと思っていたユカが仕組んだものだと分かったしー。

あたしには、恋愛の話を相談出来る様な人は、周りに一人も居なかったんだからー。

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