* * * * * *
“あたし改造計画”は、無事終了したー。
『奈央ちゃん。もう6時過ぎてるわよ。』
ミズホさんが、そう言ってくれるまでー
あたしはー
時間のコトを、すっかり忘れていたー。
『えっ?!もう6時過ぎちゃいました?!ミズホさん、あたし‥そろそろ帰ります。』
お母さんー
もう帰ってるよねー。
『まだいいじゃんって言いたい所だけど‥‥。奈央ちゃんをあんまり遅い時間までお借りしてちゃ、聖人に怒られると思うしぃ。』
ミズホさんは、そう言い終わるとー
あたしに何かを手渡したー。
『はい。コレ。あたしのメイク道具なんだけどー。
明日の朝、メイクして学校おいでよ。
コテも一緒に貸してあげるネ。
巻き方は、あたしのやり方見てたでしょ?!どうせやるならカンペキにしようよ?!聖人、奈央ちゃんが、益々可愛くなった姿見たら、きっとびっくりするよ!!あ〜〜〜!!明日の朝が待ち遠しいわぁ〜〜〜!!』
何を言っても憎めないヒトがミズホさんだよなぁ‥‥って思ったー。
『それとさぁ‥。』
ミズホさんは、今度はポーチの中から何かを取り出したー。
『はい。コレ。何時か必要な時が来たら‥ね?!』
思わず受け取った手のひらの中にー
ソレは、ちょこんと収まったー。
『‥???‥‥。』
あたしはー
ソレが何なのか、直ぐに分かったー。
『あの‥ミズホさん‥‥。』
あたしが自信無さげにそう言ったらー
『なぁに?!奈央ちゃん。』
ミズホさんは、優しい言葉で返してくれたからー
『あたし‥そういうの‥イマイチよく分からなくて‥。』
正直な気持ちだったー。
別に猫をかぶりたい訳じゃなかったー。
『大丈夫。そのトキは、また‥あたしが相談に乗るヨ!!』
ミズホさんのいつものキュートな笑顔で言われたからー
『はい。』
あたしは、本当に安心出来たー。
だってー
そんなコトー
恥ずかしくて誰にも聞けないじゃんー。
ましてー
1-3のクラスメイト全員からシカトされ続けて来てー
しかもそれがー
親友だと思っていたユカが仕組んだものだと分かったしー。
あたしには、恋愛の話を相談出来る様な人は、周りに一人も居なかったんだからー。