「信じらんない!!普通あんなこと言う!?せっかく…せっかく……っ!」
私は愛美と一緒に通う大学のカフェで大声で愛美に話していた
まわりからは、ヒソヒソと私のことを話す声が聞こえてくる。
でも、そんなこと今は関係なかった。
ただあの男の「うるせぇな」という一言が許せなかった。
やっぱり愛美は優しいから、そんなどうしようもない私に真面目に答えてくれた。
「まぁまぁ、でもこれで少しはスッキリしたんじゃない?達也くんのことも…」
「でも、でもでも!!やっぱ許せない!!あの男…「男って俺のこと?」
誰だろうと後ろを振り返ると、そこには昨日の居酒屋のあの俺が嫌味な笑みを浮かべながら立っていた。
!?!?
私は驚きすぎて声も出せなかった。
なんで?なんでここにいるの?
「お前、いつも居酒屋で声がでけぇって苦情がきてんだよ」
私はやっと状況が少し理解できた。
「…だ、だからって…せっかく失恋から立ち直ったのに!ひどいじゃない!!てか、アンタ誰よ?なんでこの大学にいるわけ??私は…私…っ!!」
「俺は里中達也。この大学の3年昨日はお前の声がデカすぎるのを注意しただけ。」
達也………?達也…????達也!?!?
なんでよりによってコイツの名前が達也と一緒なの!?
「…っ達也!?………達也って……なんで!?!?…」
「なんでって…それは俺の親に聞いてくれよ。ま、とにかくそういうことだから。うるさくすんなよ?」
アイツはそれだけ言って去ろうとしていた。
私は思わずアイツの腕を掴んでしまった。
達也という名前……なぜかそれだけで反応してしまう私。
やっぱりまだ立ち直ってなかった。
「………っあの…」
私は声も出せずにただそのまま去ろうとする男を引き止めたかった。
「…なんだよ…そんなにかまってほしいのかよ…」
グッ
私はおもいっきりアイツに引き寄せられて、きずいたら唇と唇が重なっていた。
「…んっ…」
一瞬、なにがおこったのかわからなかった。
アイツはそれだけするとそのまま立ち去ってしまった。
「は…?」
やっと我にかえって、自分の置かれていた状況が理解できた。
アイツに…キスされた?