「誰もいない?」
コクピットの中に人影は認められなかった。どちらかというと、ハルはビビった。
誰もいない?あり得ない!野口を呼ぼうとも思ったが、下手に弱気な所を見せると、後で何と言い触らされるかわかったものではない。
ハルは細心の注意を払ってコクピット内部に身体を滑り込ませた。
よく見ると零のコクピットとは全く異なる内部をしている。
やけにコードの多い…まるで実験室のような…?
「!」
ハルの身体は完全に硬直した。
座席の影に白い人影を見つけたからだ。
唾を飲み込む音がやたらと大きく耳に響く。
「だ、だだ誰だ!」
「ででこい(出てこい)!!」
返事はなかった。
死んでる?
銃を握り締め、様子を伺いながら一歩ずつ近付く。
ビビったハルは天井すら気になってくる。
ホラー映画で殺される直前のキャラさながらのビビりぶりで上を見上げながら歩くうちにハルはいつの間にか座席の横に来てしまっていた。
「わっ」
慌てて振り向く。
目があったのは、人の目ではなく、銃口だった。
死ぬ!
「わぁぁぁぁぁ!!!」
「きゃぁぁぁぁ!!?」
アレ?
自分と同じ位ビビっていたのは
「女の子?」