聞こえた真奈美の声は、いつもの自信にみちあふれた声とはうらはらに弱々しく震えていた。
「…優梨ぃ…っうぅ…」
「…真奈美?泣いてるの??」
驚いた。あの真奈美が、泣いてるなんて。
「…っうぅ…あたし…あたし…あたしっ…!」
「真奈美!!と、とりあえず家行くから!!待ってて!!」
私は、とにかく真奈美を抱きしめてあげたかった。
クラスメートに無視される悲しさは私が一番よくわかっていたから。
たとえ、私を苦しめたちょう本人でも、今はそんなこと関係よね。
真奈美の家は、私の家から走って10分。
私は一生懸命走った。息切れしながらも、真奈美の家にやっとついた。
「はぁっ…っゲホっ…」
私は生れつき喘息をもっていて
走るとすぐこのざま。
情けないなと思いつつ、真奈美の家に入った。
「…っ真奈美っ!!」
「優梨…あたし…」
私はおもいっきり真奈美を抱きしめた。
「大丈夫?真奈美……」
「うぐぅっ……っ優梨ぃ…優梨あたしっ」
少し安心したのか、真奈美は今までにないほどの声をあげてないていた。
それをただ抱きしめるしかできない私は、ちっぽけなんだなと思った。
「優梨…ありがとうっ…こんなに…ごめんねぇっ…うぅっ…あんな…あんなゆうりぃ゙ごめんなさいっ!」
「真奈美っ…もういいから!!みんなに話しにいこう??きっとわかってくれるから!!」
自分で言っていながらも、私の心はキリキリと痛んでいた。
あの人たちがすぐにわかってくれるだろうか??
そんな不安があったけど、とにかく真奈美を安心させてあげたかった。
「…明日…明日学校行ってみんなに話そう?私も言うから!!明日は迎えにくるからね」
「…うぐっ…うん゙…ほんどに…ありがとう…ごめんねぇ…」
それから真奈美はなんども謝ってくれた。
ついこの間まで、絶対に許すまいと思っていたのに、もう私の心は真奈美のしたことを許していた。
真奈美との友情が芽生えた瞬間だった。