勝手な運命

yume  2008-03-20投稿
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私の初恋は小3の時だった。
同じクラスのトオル君。彼は人気者だった。
頭が良くて、勉強も出来る、顔も可愛くて、明るい。学級委員も何回かやった。

そんな彼に恋をした私は…内気で男子と話せない、頭も運動神経も顔も中の下。
全く目立たない子だった。
もちろん何のアピールも出来る訳がない。

しかし私達は何回も隣の席になった。私は勝手に運命を感じた。
…感じたけれど
…何も出来ない…。

そんな地味な私に出来ること。
とりあえず教科書を忘れてみた。忘れたら隣の子に見せてもらう仕組みなのだ。

その次は、消しゴムを彼の方に飛ばしてみた。
彼は笑いながら消しゴムを私に渡した。

地味な私はこんな地味な作戦で彼に話し掛けて貰うのを待った。

ライバルはたくさんいた。しかし鈍い私は気にしなかった。
私には強い味方の「運命」があったから、6年間ずっと彼と同じクラスだった。

そして私は、彼にずっと片思いをしていた。

さすがに中学では離れた。1学年9クラスもあるのだ。

私は彼の事は忘れていた。他の人に恋をしたわけではない。ただ恋愛に興味が無くなった。

けれど…中3。再び運命が訪れる。同じクラスになったのだ。

彼はますます格好よくなった。そのため彼は女好きの軟派野郎になっていた。
ドキドキする間もなく、私は彼に幻滅した。
勝手に恋をして、勝手に冷めた。我ながら情けない恋心…。


私は高校生になった。
気持ちも新たに出発だ。
……あれ?隣のクラスに彼がいる…?
彼は同じ高校に進学していたのだ。
やっぱり運命なのか!?

そんな筈もなく、彼は高2の秋中退をした。

私は高校卒業後、就職をした。そこで3つ年上の女の子と友達になった。

3年後、彼女は結婚をした。私は式に招待された。

そこで見覚えのあるオバサンと会った。

……彼の母親!!
彼の母は私に近づき、彼の今を教えてくれた。
彼とまた繋がりが持てたようで私はひそかに喜んだ。


時は流れ…
それから5年。私は1児の母となった。
彼の今はもうわからない。

しかし夢で会うのだ。何度も何度も夢に出てくる。
私が彼を未だに思い過ぎているのか…。

いつかまた彼に会える日を私は期待している。
会いたい…。



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