西暦二千百年
日本という国は平和主義を破棄し、今まで他国に隠し育ててきた軍事力にものを言わせた「大国」と化した。
北朝鮮、アメリカ、中国、ロシア…etc
日本に背いた国や元から対立していた国、日本を援助していた国まで日本は滅ぼして、侵略してしまった。
当然日本の主権は国民から天皇に移り、独裁者が支配する国へと逆戻りした。
―そんな、軍事国家になった日本の権力の頂点。
皇室の、ある部屋に後の日本で悪魔といわれる男がいた。
「…つまんないな。世界が動かない。日本…正確には僕のパパが世界をほとんど統一しちゃったからだけど」
見た目は高校生ほどの青年。
青年の名前は鷺ノ宮大和。
次期天皇候補の男だ。
一昔前の日本人が見たら、自分の目を疑うような豪勢な部屋でずっとルービックキューブを弄っている。
「つまんない…パパの作った世界なんて、壊しちゃおう」
そう言って大和は部屋に据え付けてある机の引き出しからノートを出した。
そのノートの表紙に書かれていた言葉、それは…
「滅亡計画」
大和はそのノートを見て、人間とは思えないほどの邪悪な笑みを浮かべた。