残酷な痛み

ふく  2008-03-20投稿
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自分を嫌いになることは簡単なのにあなたを嫌いになることができない
『嫌いになれ』
自分の脳に命令をしてみても心がついていけない

応援してくれていた親友に恋の終わりを告げた日
何だか申し訳なくなって何度も『ごめんね』を繰り返した
親友が優しく肩を叩いてくれた
『よく頑張ったね』
そう言って泣いてくれた
我慢して堪えていた気持ちが一気に溢れ出した
いつものように冗談っぽく『ダメだった』って笑って言いたかったのに気持ちが邪魔をして言葉が重たくなってしまう
思い切り泣いた
そうすることしかできなかった
何度も言った『ごめんね』も泣き声でかすれて行く
上手に包もうとした傷も痛みを伴い胸を締め付ける

嫌いにはなれない
嫌いになるために好きになったわけではない
ただ無心であなたを愛した
そんなに簡単に切り捨てることが出来るなら
私はあなたを好きになった時あんなにも胸は痛まなかったはず

あの時と違う痛みが襲って来て苦しくて洋服の左胸の辺りを強く掴んだ

また明日も明後日もその次の日もこうしてあなたを思い傷を増やして行くのだろうか

恐怖が打ち寄せて来て体中の熱が引いて行く

人を愛することは時に残酷なんだとあなたの名前を呟きながら思う

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