「あなたのことがずっと好きだったの。」こう言う彼女は藤原 ヒイナ。
「それ全部嘘だろ。」こう言う僕は桝本 ユウト。
彼女とはバイト友達で、仲はまぁバイト友達ぐらいだ。バイトはまぁ普通のバイト。そこはそんなに重要じゃない。顔はまぁ連れてあるけば目立つぐらい。かわいいということだ。
僕は………自分でいうほど馬鹿なものはないけれど、18年間生きてきて周りを気にしていればわかることだ。客観的に見てもカッコイイということだ。
何故かわいい彼女の告白をあっさりと断っているのか……………。簡単なこと………。嘘だと断言できるからだ。まぁ会話はまだ始まったばかりだ。
「なんでわかるの？」とヒイナは笑いながら言う。「昨日別れたばっかだろ。」呆れて僕は言い返す。舌を出して無邪気に笑うヒイナを見て僕はやっぱり呆れるのだった。
昨日は修羅場だったらしい。彼氏？と歩いていた彼女？ヒイナは浮気相手？とばったりでくわしたのだそうだ。何故ハテナ？愚問だよ。ヒイナにとってどうでもよいからだ。見かけによらず、まぁ見かけどうりなのかもな。どうでもいいけど。
彼女は僕に自分の汚いところを見せつける。浮気はするべきだ！とか、一週間は七日だから七人が限界だね！とか。まぁ恋愛対象じゃないしどうでもいいや的な考えだろう。
僕は彼女を友達としては、おもしろい人間だと思っている。まぁ女友達の仲なら群をぬいて仲がよい。………少ないだけだけど。まぁこんだけ腹を割って話せる友達もいないから大切だ。だがこと恋愛になると違う。彼女を僕はどっかで憎んでた。
僕は馬鹿な人間だ。彼女に言わせればだが。永遠の愛だとか本当の恋だとか…………まぁそういう古風な人間だ。だからどっかで見返したかったんだろう。それ以外に考えつく理由がない。
僕は意地悪のつもりで「彼氏が欲しいわけじゃないだろう？ただ時間を潰せる奴が欲しいだけだろう？」といった。「一緒に歩いて見栄えがするがぬけてるよ？」やっぱり無邪気にヒイナは言うのだった。これを聞いて照れた僕はやっぱり馬鹿な人間だ。
仕返しをしたかった。ヒイナに永遠の愛とか本当の恋とかを信じて欲しかった。だから意外とプライド高いヒイナに、負けず嫌いなヒイナにこう言った。「擬似恋愛ゲームをしよう。」と。
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