不意に、生ぬるい液体が額を流れた。視界はぼやけ、目がうつろになる。
龍一は頭にも傷を負っていた。
(アキラ・・・アキラはどこだ・・・)
うつろな目でアキラを探そうとするが、化け物達が並んで立ちふさがっているせいで、アキラがいた辺りが見えない。
「くそっ・・・どきやがれ・・・!」
龍一がそう言った、その時だった。
「ゲフッ」
トッ、コロコロ・・
並んでいる右側の化け物が、ゲップの様なものと同時に何かを吐き出した。
(なんだ・・・?)
龍一は目をこらしてよく見た。
(靴・・・・。)
それは確かに靴だった。
(!?)
ハッとしてゲップをした化け物を見る。
胴体部から首にかけて、妙に膨らんでいる・・・。
「あ・・・あ・・・」
そして龍一は見た。ゲップをした化け物が開いた大きな口の奥に見えるものを。そう、それは、間違いなく、人の、足・・・
「あ・・・アキラァァァァァァァァァ!!」