レーンに着いた直後、私はびっくりした。隣のレーンで「一郎」がボウリングをしていたのだ。
私が奇跡の遭遇だと感じた直後、彼の他にも2人いて、その内の1人は同じクラスの隆之だということに気づいた。
隆之は私のことを知っている。赤くなった顔など見られたらヤバいと思った私は隆之を知らんぷりした。
そしてあたかもボウリングで火照った顔だと思わせるために、すぐさまゲームを始めた。
ちらっと隣のレーンを見ると、ちょうど1ゲーム目が終わったみたいだった。
スコア画面を見て、「一郎」と書かれた所を横に見ていくと、その最後には「1st」と出ていた。
私は彼がボウリングが上手だということを知り、ますます彼に対する思い入れが大きくなった。
だけど彼の近くには隆之がいる。こんな顔は見せられないと思い、それ以降は2度と隣を見ることができなかった。