痩せた佳代の身体を抱きしめた。
涙がかわくまで。
佳代は、○○放送のOLをしていた。
家族とは音信不通。
郷里は新潟の佐渡。
ぽつりぽつりと、話しはじめた。
けれども、俺の事は聞かない。
知るほどに、離れられない事を佳代はしっていたから。
煙草を吸わない佳代は、
俺の煙草を口にくわえて火をつけるのが好きだった。
灰皿のない佳代の部屋。
その代わりは、枯らしてしまった植木鉢。
女性の部屋らしく、大きな三面鏡がベットの横にあった。
髪は黒く、ストレート。
身につけるものも、品があったし、似合っていた。
料理は上手かった。
ただ、二人では食べ切れない量をつきる。
けして、手は抜かない。
まちきれず、邪魔をして
叱られた。
風呂はいつも、二人ではいった。髪を洗ってやるのが好きだったから。
ある朝、佳代が差し出したもの。 小さな花柄のハンカチーフ。
俺のを洗ったからと言う。
すぐに乾くだろーに。
佳代は男のハンカチーフが欲しかっただけ。
誰かに見られたいと感じていたのかも。
小さな、そんな一つ一つが佳代が探していたもの。
ある日、佳代が駅の改札で待っていた。
『あなた!』
そう叫びながら、、 、
照れたが、そんな嘘を二人で楽しんだ。
誰も知らない街で。
Scene2