――さぁ、戦慄の唄を奏でよう。
世界は悪意に満ちる。
悲鳴が悦びの声となって穴の開いた空を駆け下りた時。
私は貴女の瞼に牙の生えた口でキスをしよう。
滴る血が怠惰と共にすべてを語る。
その時こそ終焉。
黒馬たちのいななきがモノというモノ、ヒトというヒトをことごとく破壊するだろう。
……心配するな、すぐに済む。
恐怖は一瞬。幸福は永遠に。
悲しませはしない。
くだらぬ物思いを終わらせよう……。