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ウグイ  2006-04-29投稿
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――廃棄ナンバーが、今更何をするつもりだ――

――ガイアを守るには、これしかないんだ――

――ニール、行けっ!ここは俺がやる――

――貴様は……死ぬべき者だ――



…………俺は……カイン・スミシー……だ。


「……イン……カイ……」

声が聞こえる……。

聞き覚えのある声だ……。

暖かい……優しい、誰だ?

「カインっ、しっかりして」

ゆっくりと目を開けたカインの目に飛び込んできたのは、心配そうに自身を見つめるアキの顔だった。

一度大きく息を吸ったカインはそれを吐きながら、右の拳を小さく握りしめる。

(どうやら、体は動くな……)

「アキ……俺は……?」

未だ鈍い痛みを放ち出す頭を片手で押さえながら、なぜ自分がこの様な状態に至ったのか、その経緯をアキに尋ねるカイン。

カインの安否を確認したアキは、小さく溜め息を吐くと同時にカインに答える。

「覚えてないの?カイン、急に倒れちゃったんだよ……」

アキの言葉に、カインは額を片手で覆った。

なぜ……?グランと話していた時までは覚えてる。

だが、その後の記憶が全くない……。

もし、これが戦場の真っ只中だったなら……俺はもうこの世にはいない。

「おいおい、そんなんで大丈夫なのか、天下のヴェノムさんよー?」

その時、カインの耳に皮肉を含んだグランの声が届いた。

薄暗い倉庫の中に、寝かされていたカインは慎重にその体を起こすと、薄いグレーの戦闘服に袖をとおしているグランを睨み付けた。

「これぐらい問題ない……」

「本当かよ?こっちは高い金払って、てめぇを雇ってんだぞ」

疑い深くぶっきらぼうにそう答えるグランにカインは声を荒げる。

「黙れ、俺は報酬分の仕事はするっ!あんた達に助けてもらうつもりもない」

吠えるカインに、グランは自身が身を包んだ戦闘服と同じものを投げ付けた。

「早く着やがれ、作戦開始だ。実力は実戦で見せてもらうぜ、ヴェノム」

言葉と共に、グランは巨大な鎚を背中に担いだ。

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