走ったかいもあり、約束の時間の10分前に着いた。
『由紀子おばさん、お久しぶりです』
おばさんに会うのは2年ぶりだ。なかなか会う機会がないのと、面倒臭がり屋な僕のせいで全く会っていなかった。
『あんたは全然連絡よこさないんだから、この前だって約束を破るし、全く…しっかりしてよね』
そう言いいながらおばさんは僕を抱きしめてくれた。
そして、僕は席についた。
おばさんは僕を自分の息子のように愛してくれている。たぶん…実の息子の姿を僕とダブらせてるのだろう…
おばさんは何年か前に息子を亡くし、僕を息子のように思ってくれている。
そう…約束とは由紀子おばさんと会うことである。
今回僕は母親との約束を守った。それは、最近母親が会え会えとうるさぃのと、自分自身前に進まなくてはと決意したので、良い機会だと思ったからだ…
しばらくすると後ろの方から、
『おばさ〜ん』
という女の人の声が聞こえた。