※これは投稿したものがミスタイトルだったので、再度投稿したものです。
３．
ジャック・オッフェンバック
二発の銃声と割れる窓の音で私は目を覚ました。
「なんだ！？なにが起きた！？」
「侵入者です。」
私の側近が言う。
「侵入者だと……。どうした！？」
「死にました。恐らく…。」
「恐らくだと？どういうことだ？」
側近は窓を指差した。
「落ちました。」
ここは私の設計した船の上。侵入者は私の船に乗り込み、私の側まで来て……海へと落ちていったのか。
「そうか…。落ちたのなら…。」
私は割れた窓から顔を出して、眼下に広がる海を見た。
「生きてはいまい。」
この航海はもうじき終わる。
二時間後、客船オッフェバー号はルアーヴルの港へと到着した。
４．
ジョルジュ・キュヴィエ
約束の時間を四時間もすぎてる。こちらからの連絡も通じない。こんな事は、初めてだ…。
どうした。なにがあった。
私は苛立ちを隠せず、つい持っていた資料をくしゃくしゃに丸めてしまった。
司令室にいる多数の部下達が私を見る。
その内の一人が私に近寄ってきた。
「長官、ネイサンとの連絡はつかないのですか？」
そう問いてくるのは、エリック・サティ。立場上では私に継ぐ存在。
「ああ。そうだ。あと二時間待つ、二時間たっても連絡がない場合は総動員で奴を捜す。」
「はい。ジャックはどうしますか？」
先程ルアーヴルの諜報部員に連絡したところ、ジャック・オッフェンバックは生存していることが判明した。
「ピエールを送った。」「ピエール・キュリーですか。」
「そうだ。」
一時間後、司令室の電話がなった。
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